悲鳴/茉莉香
熱に浮いた体が悲鳴をあげた
体がぽっきりと折れた拍子に
ごっくりと塊を飲み込んだ私
体中をソレは駆け巡り
ちょっとずつ侵食していく
手足の先が動かなくなった
髪の毛ははらりはらりと抜けた
言葉にするつもりだった
不安絶望嘆き怒り
凝縮されたソレは
恐ろしい勢いで体を支配した
熱は続き唯一残ったのは心
体中の体液は皆蒸発し
からからと音を立てて小さくしぼんだ心は
それでも生きようと手を足を愛撫し
折れ曲がった背中をさすり
こほっと飛び散るソレを全て心にしまいこむ
心がソレで満杯になったとき
手足は美しく蘇り生き生きとした髪が生え始め
何事もなかったように体は動き始める
そのとき心は 心はもう 動かない
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