クレゾールは時計仕掛け/※
は、私が今
デジタルに
こだわり続けているのと同じように
とりあえず倉庫は
細君に頼んで、すべての窓を開け放たせよう
よく晴れた空に
そよぐ風
書斎にはウヰスキー
ふと、本棚の隅に仕舞い込んだっきりの
古びたアルバムを読み返す
いつもは洋酒の薫りで癒される筈の空間に
今日ばかりは 風に乗って
ほのかに漂ってくる
消毒の臭い
あれは、望郷の念
古びたアルバムの中には
四隅の破れた、何枚もの黄ばんだ白黒写真
ぼやけて写るのは、幼少の頃の
あの子と 僕
ひたすら辛いばかりの日々にも
陽は確かに
射していたのだ、ということを
懐か
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