52、さざなみ/雨宮 之人
 
水面に 乱反射
オレンジと 銀色と
さらさらと風
きらきらと揺れ
浮かび上がる
水鳥のシルエット

夕景が
夜の闇に溶ける前に
浮かんだ小船の 孤独を思う

風に吹かれた
さざ波に揺られた
そんな僕らの 不安を思う

漂いながら そうやって僕ら
星を見上げ いつだって僕ら
いつまでも 明日を待っている
さざ波に揺られ 灯台に照らされ
名も無き航海をあても無く…

乱反射するオレンジに
浮かび上がったシルエット
羽を散らして 水鳥は飛び立った
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