糸桜/ルーファウス=フレデリカ
 
十六夜の月は浅葱染まり 色恋の欠片埋める
薄明かり 髻華(うず)似た簪を照らし微笑む郎女(いらつめ)

夜光の蛍 箱に押し込め 籠の鳥の嗤う

淫佚(いんいつ)な浮き寝 鳴き菖蒲 妹の艶咽(えんえつ) 影に消える
机に広がる艶書の意味す言 桜花の渦とともに

細鳴く秋蝉 映す水弾ね散る糸桜奏で融けながら


絆を結ぶ淡海如く 稚き手暗涙流る間
慰撫す光 暖かき身体の艶然たる髪

おう弱な細き身抱く刻 月は皆既啄ばみ果てる

風射す寝台に軟風 幾度入れど止まぬ紅玉の頬
涙濡つ瞳 抱き囁き請う はらむ胡蝶の暁闇捨て乍ら


川明かり 集ま
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