あこがれ/石瀬琳々
 
あこがれは一番星の良きひかり
    いかにはかなく夜が来ようと


人は行くランボオの詩を胸にだき
    人いきれへと振り返りもせず


鳥は飛ぶただ啼きながらひたすらに
    空になるまで青になるまで


船は発(た)つ潮風を帆にはらませて
    水脈(みお)ひいてゆく南をめざし


名も知れぬ草の実ひとつほどの夢
    指でつぶせば染みるその色
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