Vampire・Kiss/愛心
 
・そう、なんだ。」
僕は内心の驚きを隠しながらいった。
「で。僕の血でも欲しいのか?」
「別に・・・」
彼女はココアのカップを置くと、立ち上がった。
そして長く尖った爪で、僕の頬を切った。
血がポトンと落ちる。
「舐めていい?」
僕の答えを聞く前に、彼女は僕の頬に唇を押し当てた。

  ドキン

彼女は僕の血を吸った。
傷口から、ゆっくりと吸っていった。
僕は異常に彼女が愛しくなって、ぽつりといった。
「僕、君に僕をあげるよ」
「じゃあ、もらう」
彼女は僕の唇を自分の唇で塞ぐと、そこから生気を吸った。
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「ごちそうさま」
私は唇をぬぐった。久しぶりのご馳走だった。

目の前にいるのは、逝ってしまった男の子。

私はバンパイア。血を伝って虜(とりこ)にさせる、
生気を吸うバンパイア。


次のご馳走はね・・・・・・貴方にしようかな?








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