雨の庭/
佩慈の工人
積んだ石が流されてきた庭を掘って、埋めたいものが見当たらない。怖い色があった夜。あれもこれも気の済まない形ばかりの空に、囲まれていた。しゃがみこんだ足の下に押さえ付けた砂利の尖り。たくさん作った傷の跡も浮き上がらない、だぶついた腕が残る。振り上げたいものもない、ひび割れた木の肌をはがしても、痛くはないんだ。手ごたえのある空を叩いて、埋めてあげるのに。届かないものがある枝先に、なびいている骨の音は、あの夜抜いた喉かもしれない。
戻る
編
削
Point
(6)