迷宮廻り/whipporwill
 
ればいいのか?
全身に飾り付けても、まだまだ持ちきれない。
封鎖された無限の領域を散歩するには。どれだけ備えても不安だ。
そこらに転がる最高峰を目指すお気軽な散歩とは訳が違う。
世界には終わりがないのに、俺達の持ち物には限界がある。
なんて矛盾だろうか。
悩んでも、悔やんでも、ましてや怒りだしたってどうにもならない。
だから覚悟した。
諦める覚悟、捨て去る覚悟、奪い取る覚悟、略奪される覚悟。
道標もなしに歩き出す決意に他ならない。
誰も彼もが自動的に行う自然の摂理。

さあ、歩き出そう。
刹那だって待ってはいられない。
空はどこまでも続いているけれど、糧は有限。
最後に残る死を食べ尽くしたら、そこで終了。
他の誰かよりも遠くへ。
雑多な玩具箱の中を無節操に駆け回れ。
歩け、走れ、休めば取り残される。
兵糧が尽きるまで無駄に生き急げ。
最後には何も残りはしないし、誰も讃えもしない。

餌が尽きて息も絶え絶え、それが終着。
はてさて、それではそろそろ。
ここで終わろうか?
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