やんだ雨/
佩慈の工人
馴染んでしまったと思う花には
堅い慰めもない
つりあう服の重さを測る腕から
立ち上がる枝先の葉は汚れて
歯軋りのような雨の終点
秋の朝にも 湿った壁が連なっている
戻った薄い光の束が落ちていく道の端まで
差し渡す花の茎を 焦げ目のない服で捜す
夜を潜り抜けた灯りがつけたしみのような
葉のこすり落とす長い音にも
ずれてしまった窓枠も
まだ誰もいない長椅子の温度から
ここまで運んでくる声のしぶきが
野の端だからと訴えている
雲に見える
戻る
編
削
Point
(2)