やんだ雨/佩慈の工人
 
馴染んでしまったと思う花には
堅い慰めもない
つりあう服の重さを測る腕から
立ち上がる枝先の葉は汚れて
歯軋りのような雨の終点

秋の朝にも 湿った壁が連なっている
戻った薄い光の束が落ちていく道の端まで
差し渡す花の茎を 焦げ目のない服で捜す
夜を潜り抜けた灯りがつけたしみのような
葉のこすり落とす長い音にも
ずれてしまった窓枠も

まだ誰もいない長椅子の温度から
ここまで運んでくる声のしぶきが
野の端だからと訴えている
雲に見える

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