都市/杉菜 晃
 


田園の中をのどかに走ってきた

ツートンカラーの電車が

いきなり 都市に突入した

目新しいことではないが

一つの帰結だ


電車はそこに貼り付いて

動かない

これでは朝になっても

動き出すか

分かったものではない


都市に入ってしまったからには

そこに鼻を突き入れて

黙っているしかないのだ




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