残り物の詩(うた)/恋月 ぴの
どんなに難しい本を読んでいたとしても
喜怒哀楽
たった4文字に人のこころは捕われて
(それってほんとだよ
いつになったら大人になれるのかな
つまらないことに腹を立て
投げつけたことばの痛みやら
癒えぬ傷の深さを判ってはいても
(どうしてかな
今どきの盆栽って流行りらしいけど
盆栽は前からここにあったよ
こころのとげとげしさに
チョキチョキハサミを入れるとき
哀が愛に変わるなら
怒は土に還るのだろうか
方位磁石の針をぐるぐる回したって
再び北と南を指し示すだけ
(でも見つめすぎて目が回ったよ
調子に乗って枝を切りすぎた
わたしの盆栽って不恰好だよね
でもね、いつかは元の姿に戻るんだ
それが生きるということ
肩の力を抜いて生きるっていうこと
泣いたそばからもう笑う
怒が土に還って喜と楽が残ったなら
気楽で行こうよ、明日から
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