アヒル謳歌/杉菜 晃
 


野道をアヒルが腰を振り振り歩いていた
前方に蛇が長々と寝そべっている
アヒルは気味悪がって
引き返そうか
進もうかとひとしきり思案して
結局
蛇を遠回りに避けていく
重たい腰振りの
よちよち歩きで

古木に留まっていた鷹が
蛇を見つけて降りて来ると
鋭い爪に引っ掛けて舞い上がる
古木に戻って辺りを睨みつける
持ち帰った蛇を狙うものがいないかと
爪に突き刺さった蛇がいかにもがこうと
そんなことは平気の平左

アヒルと鷹が
二種類の男性の比喩としたら
女性の心は鷹の方に
さらわれて行くのではないだろうか
けれども アヒルにも愛慕があって
子供を生む
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