ノート(風にあれ)/
木立 悟
父去りて夏去りて今日ほどく紐
熱を捨て陽は降り急ぐ石の丘
涼やかな花には寄らぬ鳥と虫
触れるほど水はすばやく風深く
誰ぞ置く錆びし灯籠(とうろう)土まもる
流れずに流れを告げる石標(しるべ)かな
揺れる火に届けし今朝の夢ひとつ
飛ばぬもの飛べぬものこそ風にあれ
戻る
編
削
Point
(9)