青方偏移/半知半能
 

見つめ合って私ではないのがあなたです
目が覚めて一言目
やさしく囁いた


青い夢を見ていた気がする


一日の始まりに飲む苦いコーヒーが
私の中に少しずつたまっていく
あなたそういえばコーヒーが嫌いだった
必死に私の胸の中の黒いどろどろを
青くしてくれてた
そういう慈しみの方法を知っていた

今は私ひとり



部屋のドアを開ける
今日も私は世界の中に飛び出して「私」になる
失う記憶は無いけれど
あったものが見つからない
一歩踏み出して
視界の端にあなたがいないだろうか
探している
ふり


青い夢を見ていた気がする
青いあなたがいた気がする

青い季節は過ぎ
秋がありもう冬が来る
時々広がる澄みきった空に
懐かしい匂いがあって
ふっと
手を伸ばして
沈んでいきたくなる
空に


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