逝く/たまむし
 
素直に話せば良かった…
逝く事を直視する覚悟がゆらゆらと揺れて、ぶるぶると震えて、怖かった。と。
死が怖かったのではなく、遺される。また。そんなとてつもない孤立感を抱え切れずに怖かったのだと。
あなたへの想いは生への執着?終着?なのだと知っていて、わかっていて、足掻いているのです。
あなたではなく、私がただ生かされている事を否応なしに認め無くては成らず、バランスを崩したのです。
老いと死を目の当りにして、いつかいつか、自分の死を看取ってくれる人がいてくれるのか…それはあなたであってあなたであって欲しくない。諦めの涙が止まらずにいたのです。独りで逝き絶える事への覚悟の無さを目の当りにしまし
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