脆弱/
彰
たぶん
あの時も天上に輝く月は
満月だったんじゃないかな
右目だけで見上げる月は
どうにも薄ぼんやりしていて
焦点が定まらなくて
酩酊感で気持ちが悪くなる
背中にまわした腕が
両肩を押さえるようになったのは
何時からだったんだろう
饒舌さが増していくのは
触れ合うことで見えなくなった
表情を窺う為なのか
確かめ合うことで
増してゆくのは
疑問ばかりだ
今夜は
こんなにも月が明るいのに
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