向こう側/
M?lodie
所在ないよ
この手を加えた物が
少しずつ磨り減っていく
記憶は摩耗して
質感だけを生々しく残す
所在ないよ
君は黒髪翻し
我先にと誰よりも強く地面を蹴る
記憶は摩耗して
質感だけを刺々しく残す
所在ない僕
所在ない君
手を加えた夢ですら
温度を失って溶解していく
白くなるほど指先に
力を込めてその首を絞めてあげるよ
何処へ向かおうとも
所在ないからさ
僕を忘れていいよ
その日が来たら
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