いのる/ki
夜に沈んでいくてのひら
蒼い灯りは微かに私の頬をなぞる
くすぐったいよ
くくとないて
泣き虫だねと言われたの むかし
今でも泣き虫だよ わたし
ひとりぽっちで地球に立って きみは
生まれたときの泣き顔がもうおもい出せない と
呟くの
犬の声は誰の声
赤いサイレン耳を塞ぐ
あたたかいなんて
嘘みたい
どこいく
ひとりぽっちで立っている
星を見上げて
月の金貨に手を伸ばす
少しでも希望を
あ、流れ星
しゃらりと
こどもの笑い声に
両手をそっと あわせ いのる
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