青と蒼のはざまに
すれ違う風
伝言は儚く
雲は 日常を
虚しく過ごすばかり
遙かに空を
跨ぐ人がいるのだが
躰が透けているので
気づく者はほとんどいない
哀しい声で叫んでいるが
心はあちらでもこちらでも
壊れているので
聞き流されてしまう
積み重ねたものが崩されていく
弱者は嫌悪されているので
自分を弱者と認める者は少なく
思いやりは失われている
増え続ける虐げられた者たちが
虐げる者を賛美する
漂い始めた戦への腐臭に
背を向け
平安に憬れるものが
叙情を枕に
青空に横たわっている
これでいいのか
これでいいのかと
秋は深まっていく