こんにちは、望郷/こしごえ
ひとりきりで終りはないと真空で泡立つの
そんな風に青く生らないで
わたくしのけじめ
まるい樹木で虚実は木霊している
朝日のもとを死霊(しれい)が
破邪をささやき帰還してゆく
解像度のループ線で
暗転する景雲
影が透けてゆく
果物ナイフで等分した長十郎を
一切れずつ墓前へ乗せてゆく
都会の小さな運動場の
人いきれで互いが蒸留塔を
会話しながら澄んでゆく
遠くにきたのか
遠ざかっていったのか
とにかく
すぎすぎて遠くにいる
冷蔵庫をあけたときの
少しばかりの冷気が
肺に流れこむ感じを
おぼえている?
おもい出すのスパーク、スパーク・・・
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