浴室にて 土曜日に沈む/小松 Anne
 
土曜日の夜に

私はバスタブに埋まって

静けさを呼吸に溶かしながら

手で水を掴む



この場所では

二人、愛情を深め合うことも

彼を、浴槽に沈めることも

できるんだなって


カモミールの香りで充満する

浴室は

土曜日の夜に

孤独を湛えて

わたしは自分とお湯の境界線を

目を凝らして見ていた

歪むわたしの顔が、映る


水音が弾けた
戻る   Point(2)