浴室にて 土曜日に沈む/
小松 Anne
土曜日の夜に
私はバスタブに埋まって
静けさを呼吸に溶かしながら
手で水を掴む
この場所では
二人、愛情を深め合うことも
彼を、浴槽に沈めることも
できるんだなって
カモミールの香りで充満する
浴室は
土曜日の夜に
孤独を湛えて
わたしは自分とお湯の境界線を
目を凝らして見ていた
歪むわたしの顔が、映る
水音が弾けた
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