秋の自分も生きてゆく/
ぽえむ君
雲ひとつない秋晴れの中
海に向かって歩き始めた
理由はない
心地よい秋風が
海から吹いてきて
正面に向かっていくかのように
歩いていった
理由は必要ない
海は輝いていた
きらめく水面は
心にも響き
ここまで来た理由が
そこにあるように想えた
風が運ぶ潮の香り
大きく呼吸をすれば
生きている感覚と
生きてゆく必要の理由が
そこに流れているように想えた
秋の海は生きている
秋の自分も生きてゆく
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