世界の果てのアイスクリン/haniwa
がある
二度と帰らないお客のためには
こんな懐かしい味じゃないとだめなんだよ
わかったかいこのバカ息子
金色の長髪ではなく
パンチパーマの母さんは
ぼくにヘッドロックをかましながら言ったのだ
それはもう昔の話
遠い昔の話
今ぼくは
一人で暮らしていて
夜にふらりとサーティワンアイスに行って
チョップドチョコレートとラムレーズンを
ダブルで食べることだってできる
コンビニも何もない
ただ海と山しかない
999号線を走る人だって
駐車場に停まってほかになにもないからしかたなく
アイスクリンなんてものを食べるのだ
もしそこにサーティワンがあれば
間違い
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