たそがれ駅17時05分発/あおば
に着いたら
草臥れた電車は
運転手交代で
2分間停車する
次の駅の手前では
風船を飛ばした子が
西の空を見上げている
雲の下が黒ずんでいて
コントラストを上げて
威嚇するように見える
大挙して黒雲どもが
やってくるのを見て
拳銃を引き抜いた
駅前交番の警官が
我に返る爽やかな
次の駅の手前の
電車のジョイントの音が
ガタンゴトンと軽やかに
聞こえてきたので
通行人は
慌てて遮断機の下を潜る
蜻蛉が寂しい駅の待合室の明るい電球にまとわりついて、ふられるのも知らないで、
いちゃついているのを幼い子供たちが無心に眺めているのを昨日のことのように思い出しています。
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