からす/Heaven
 


あほう
からすが
俺をみつける
てんてんとはしくれを伝い
屋根に字を書いた
硬いくちばしで
盗まれぬようにと
視線を気にし
おまえら
影より黒いじゃないか
瞳の中にさえ
一縷の白もない
なにもかもなくしたように
かれた声で呼ぶ
あな
あほう

あすこの高い鉄塔から
やってきたのだ
俺の
瞬間に
刻印を打つために

あほうめ
からすよ
俺に今はない


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