パイナップルの空き缶/水町綜助
 
ブルーとピンク

アルミニウム缶に映りこむ

開け放たれた窓際

置かれた甘いパイナップルの缶詰

遠く町のさわぎが耳元を波立たせる

アスファルトとタイヤの関係

微笑む路地裏飲み込まれるひとたち

金の音

町を流れる瞳の色

遠くに

僕はいま薄く目蓋を閉じ息を潜めている

この空に近いアパートの二階の一部屋に

さわぎの首謀者から逃れるために

ひとたび見つかれば

僕はロンドン兵の衣装を着せられ

あの縦長の帽子を頭にのっけられ

ちいさなタイコを渡される

馬鹿馬鹿しくてやってられないよ

撥の持ち方もしらないさ

リズムを外して

仲間はずれになるのはまっぴらだ

だから僕はこうして

最初から隠れてるんだよ

御用の方はお手紙を


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