余光/静山和生
 

            輪廻の等級を破砕させ並走する
            熱の一筋の恥ずべき白光を呷っ
            て徐々に薄くなってゆく唇

            成り行く予覚の水辺を開く音節
            の分岐を投下し続ける銀翼の類
            が分銅の均衡をついばむ昼

            
            唯、物である事を


            等級の裂傷からえぐりだした遠
            景の丸みをおびた黒点を支える
            空の秋波を静かに海に沈め

        
[次のページ]
戻る   Point(1)