百回の答え/
佩慈の工人
百回の答え木陰に距離のある踏み切りで聞く隠れないから
月までも切り落とせる線 読み上げる声も干上る土まで落ちて
傲慢な鼠の影が掘り返す雲の裏の陽 夏も終わった
虫のにおいの残る毛布が胸を張り流れる 空を綴じる枝まで
不揃いな坂にあるビン数え上げ色を注いで移る空たち
抱え込む影に冷やされ跳ねとんだ道端の薮へあと数歩だけ
押し流す夕焼け 道具を手にとって夏に溜まった指の黒ずみ
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