お皿の傘 〜はっとりんぽえむ・その1〜 /服部 剛
ようではあるまいか・・・
これから乗るバスの中で
(( ♪ぴんぽんぱんぽん ))
「車内連絡・車内連絡 古都鎌倉の町を美しく
心ないゴミのポイ捨て やめましょう 」
(( ぴんぽんぱんぽん♪ ))
乗り換えた電車の中で
人ごみあふれる駅構内で
人目をちらちら気にしながら
あわれな姿で閉じられないお皿の傘を小脇に抱え
だまつておいらはゆくのです
( 転んでも、タダでは起きちゃ、ならぬのら
電車を降り
わが家に続く帰り道
はずかしそうなのに無理してどうどう胸をはり
あわれな自分の化身を小脇に抱いて
わが家の粗大ゴミ置き場に向かって
しとしとと降る雨に濡れながら
今までの幾多の失敗を
鼻歌まじり♪の歌に変え
はっとりんは今夜も
歩いています
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜幕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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