われ中傷/凡
君とキスをした。
君の噛んでいたチューインガムをそのまま僕の口の中へ。
噛んでも噛んでもかみ切れない感情。
新たに湧く依存心はもうすでに残っていなかった。
ただ前へ、前へ。
僕は群青色の涙を見た。
蒼く、蒼く、どこまでも少年のような。
暗く、暗く、どこまでもエゴイズムのような。
屈託のない笑みで、僕はそれを殺す。
ただ残虐に、残虐に。
別に僕は責め立てることが好きなんじゃない。
不真面目で、不器用な君のその
反芻するするためにできたような唇が、ただ
泣きそうなくらいリアリティを生み出すこと、
それが僕の舌を麻痺させることがたまらないんだ。
顔のない、僕に這わせる唇。
それに伴う粘膜の権勢。
虜という可燃物。
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