荒川洋治を読んでみる(序)/角田寿星
とか悪いとか芸術はこれだから信用できない、と思っていた(実はぼくも同じスタンスでした)のが、自分も絵画を習って相当の腕前になった時に、絵の良し悪しが分るようになって、ああ、こういう世界もあるんだなあと納得した、ということなんです(ぼくは文学者の言うことは信じないが、物理学者の言うことは信じる)。
詩論はぼくもロクに読んでないんですけど、総論にしろ各論にしろ、ああ、失敗してんなあ、と思う瞬間があります。それは「すべてを語ろうとするスタンス」。
詩のすべてを語るなんて出来るもんじゃないし、あまつさえ「誰某の論は、かの詩世界を充分に語れていないと思われる」なんてセンテンスを読まされた日には、かる
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