荒川洋治を読んでみる(序)/角田寿星
荒川洋治のふたつの初期詩集、『娼婦論』『水駅』。ぼくの大好きな詩集なんですが、ともに難解なことでも知られています。
大岡信が以前、(荒川の『水駅』はみんな素晴らしいと言うけど、まあ俺もそう思うけど、そういうヤツらがどんだけ荒川の詩を理解できてるんだ?少なくとも俺は分んねーぞ)といった類のことを仰ってたそうで(細かなニュアンスがかなり異なると思われるのでカッコ内で表記)、ぼくはそれに惜しみない拍手を送りたいです。
んー、まあ、でも、「よく分んないけど好きだ」とか「感性に訴えてくる」とか、そんなのは確かによくあることで、例えばノーベル賞物理学者のファインマンは、以前は理由もないのにいいとか
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