テーマ/
まれ
仄暗い喫茶店で握り締めた手を開くと光りが逃げてゆく
散り散りに
光りの粒たちを追って暗闇を見つめ集めてきたんだった
ひとつふたつと
硬く握りしめて
逃がさないよ と言うのだった
だけど
木の壁に背をもたせて体を緩めてしまえば
放たれてしまうのだった
心地よく保たれた室内にトランペットがテーマを謳い上げる
音の粒が空気を洗ってゆく
還りたい
気がつけばそれが足元にあった
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