町を歩いて/
水町綜助
町を歩いて
うなだれて歩いて
なにかとても
ややこしいなにかが
こころをしぼませる
とてもあらがえないような
よくわからないものが
この夜の空の上に
その黒い膜のうえに
ひそんでいるみたいで
でもそれはもう十数年も姿を現してはいない
というよりも見ることができていない
僕は町を歩いているだけだから
見上げてもビルの電飾
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