センチメンタリズム/さき
 
トランプの表と裏
赤と黒を眺めて
時がすぎるのを待つ
私は小鳩
知っているけど
分からない
何かが違うと
鏡を叩く
それは全く揺れない水面
あなた
もし
あの花の首を刈るなら
早く
そして
揺れる水面に
間違いなく浮かべて



これは昨日の涙と違う
繰り返しても
繰り返しても
何度繰り返しても
違う札
違う
違うのよ
でもこれも
本当じゃない
綺麗な夢は
夢でしかないと
何度思い知っても
夜毎にまた
浅い夢を見る



夜更け
夜更かし
無用の夜長
窓を掠める
秋渡る風
その呟きを
私は泣いて
たまに笑って
聞いていた



占う
現実
あの鮮やかな花は
この胸に落ちて
写す鏡は
紛れもない残酷
夢を見る儀式
胸震えても
きっとどこかで
バカにするから
諦めずに続けられる
それも
知っているのに
分かっていない



どうして
愚かな私は死んでいかないのって
鉛を溶かしたホットミルクを
飲み下す



今晩も








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