島で死ぬ/水町綜助
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に車を停めて、「時又」という名の集落を遠巻きに眺めながら、「トロッコが蔵王のダリア園を抜けたとき(だったっけ)」という書き出しで始まる本を読みながらあの人を待ったときに一度終わったも同然だったし
ぼくはそこで高く上りすぎて
とてもこわい思いをした
そのときは信じられなかったけれど落ちることは必然だった
本を閉じて少しねむり
起こされたときにはもう落ち始めていたというわけ
まぁいいや
ほしもおりるよ
落ちてんのか
ねむい
今日はよけいなことが多すぎた
ねむります
あしたは島コースなんで
おやすみなさい
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