誰も知らない秋/さき
夕暮れが早くなりましたね
ええ、いつもと同じ帰り道
相変わらず同じ電車に乗ってます
夏はあっという間にすぎて行ったようですが
そんなの別に珍しいことではなく
まったくもっていつものことでしかありません
そんな私
半袖を誰よりも早く着るタイミングを見計らっていたように
長袖を今日、誰よりも早く着ることに成功しました
別になんてことはありません
もちろん自分のため
別になんてことはありません
昔のあなた
良く言いましたよね
「誰のためにそんなに気を使っているのか」
って
蝉が
鳴き始めた日を
覚えているのでしょうか
蛙が
鳴き止んだ日を
いちいち気に留めているの?
今となっては懐かしい
あなただけが
気づいていたのに
今は昔で
ダレゾガ
ダレゾ
ダレゾガシルノヨ
私の秋
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