誰も知らない秋/さき
 
夕暮れが早くなりましたね
ええ、いつもと同じ帰り道
相変わらず同じ電車に乗ってます

夏はあっという間にすぎて行ったようですが
そんなの別に珍しいことではなく
まったくもっていつものことでしかありません

そんな私
半袖を誰よりも早く着るタイミングを見計らっていたように
長袖を今日、誰よりも早く着ることに成功しました



別になんてことはありません
もちろん自分のため

別になんてことはありません
昔のあなた

良く言いましたよね
「誰のためにそんなに気を使っているのか」
って



蝉が
鳴き始めた日を
覚えているのでしょうか

蛙が
鳴き止んだ日を
いちいち気に留めているの?


今となっては懐かしい
あなただけが
気づいていたのに


今は昔で
ダレゾガ
ダレゾ
ダレゾガシルノヨ

私の秋





戻る   Point(5)