最終行まで/岡部淳太郎
 

書きついで
いく しかない

夢に見た
あるいは見ることのなかった
最終行まで
あとどのくらいか

雨に必要とされて
雨を必要とし、ながら、

自らの最初の声を
遠く 予感のように思い出す
長い旅路の果てに
僕たちは笑う
      (または泣く)



(註)この詩篇には、ある詩作品からの意図的な引用がいくつか含まれています。書くべき詩ではなかったのかもしれませんが、どうしても書かざるをえないような気分でした。忘れるのではなく、憶えておくために書かれた詩です。それほどたいした出来であるとは言えませんが。




(二〇〇六年九月九日〜二十日)
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