子規の句 雲の峯、藻刈舟/A-29
watarikeri Very good! 一字一句として動かない。叙景も明瞭。山間の砂礫河原を詠んだものだろう。実写かどうかは判らない。しかし子規の写生は実景の何かを超えてしまっている。「水」を排除しひきかえにすべてを手中にした。そんな句といえないだろうか。否、消されたはずの水こそが季題として空高く立ち昇っている!
これほどの垂直軸の広がりを誇る句を私は他に知らない。これほどにひたすらな詩を他に知らない。
子規は恋愛に縁遠い人であったようだ。この川も一人で渡ったろうか。
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