社会の一つとして個人を見てしまうあなたへの手紙/I.Yamaguchi
拝啓 個人の集合として社会を見るのではなく、
社会の一つとして個人を見てしまうあなたへ
お元気でしょうか。
衣食足りて礼節を知る、という言葉の通り、毎日、新聞の一面を見ては
「長島さんが脳卒中らしいね。大変だね」
と同僚に首を振るあなたが思い浮かんで
にやりと笑ってしまいます。
家の近くの定食屋に長島監督のサインがあります。
松坂大輔ややキャイーン、ZEPPET STOREが壁にハリツケにされる中
監督のサインだけは額縁に入れられて、頭を店の空に突き出しておりました
病気のせいで、もしかすると
字を書くのは難しくなったかもしれませんが
「ビュッ」とか「ババッ」といっ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)