13号地埠頭/水町綜助
 
この街の果ての海はいつかみたあのひろい川の河原に立っていた

海まで10キロのしるべが指していたもの

海鳥がゆっくりと羽をひろげ

それは昔見た映画みたいにゆっくり瞳に映しだされる

大きく二回羽ばたいて

うまれた波紋と水の玉をのこしてとびたってゆく

金色の光の帯が濃紺のみずを照らし

それは計り知れない質量でうねって

赤い鉄で出来たまちをすこしずつ溶かしていくんだろうか

光の帯
クローバーと白爪草を撫でて

僕の目は貫かれて

タンカーの煙
黒々としたのはみんな僕たちとおなじで

くっきりと吐き出されてそれから

風にさらされてひ
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