涸れた水差し/
白雨
光に飢えて
死んだ薔薇。
僕の瞳(め)は唖になった。
食卓に赤い染点(しみ)
ところどころに、
あの 暗い日の 思い出が
甦る。
ああ、与えてよこせ、
窓硝子
満ち足りぬ茎に水―
僕の瞳に、
よき涙。
ところで
何について語ろうか、
君、
詩人は唖になったのだ。
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