声/城之崎二手次郎
自己申請した冬休みがあけて、2ヶ月ぶりに仕事へ復帰。
声を出して客を誘導することしばし。
喉に何かが詰まっているような感覚をおぼえた。
部屋にこもっていた2ヶ月。
本当に、誰とも口をきかなかったんだな。
ひさしぶりに声を張ったもんだから、喉がびっくりしたのだろう。
気持ちを伝えるための声、言葉。
2ヶ月もの間、私には、言いたいことがひとつもなかったのか。
自分が動かなければ、景色は変わらない。
今は言いたいことがある。
伝えたいことがある。
喉は傷んだけれど、生きている気がする。
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