羽根のない感情/
ななひと
かすな 両手を広げて踊れよ 指紋をつけぬよう気をつけながら。
声紋のような雪原 傷ついた狐のような足跡は揺れながら続く 血痕は時とともに暗がりになって 砂時計のように落ちていく 翼のようなかたちをした平面は奇妙な仕方で裏返り…はじめて息を吸いとるようにひらかれていく唇 失踪した思考が背後で揺れている…網膜に向かって倒れていく。そう倒れていく。
ああ …そして羽根のない感情は押し広がる。見上げれば、水晶体のような空!
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