nayameruブタ/水町綜助
霊園は入り口から想像するよりもはるかに広く
歩いても歩いても
途中途切れてもまた敷地は始まり墓石は連なっていた僕は歩く
沢山の人の骨がここにはあるネ
沢山の
似てるけど少しずつ違う理由で死んで
そして生垣の向こうに埋まっている
空は七色の中で青色だけが強くて
不意に生垣の切れ目から人が飛び出した
アロハシャツの老人
横切った
薄いピンクのシャツ
何層ものボートの絵柄
玉の汗を流して
少し笑っていた
力強い足取りで歩き枯れ枝を踏み折る
鼻腔にビャクダンの香り通る
そして目の前からはおなか
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