nayameruブタ/水町綜助
暑さ蒸し返し始めた
暑さ
黒いパーカの袖は汗に湿って
そして子供の頃にも一度感じたことのある憂鬱またやってきた
しずめつづけられる
意識の基礎がそれに塗りこめられて息がしづらい
でもその上に立って僕は笑顔を浮かべるよ
浮かべなきゃいけない
ことになってる
今は
みんな見てるから
鰯雲
渋谷の町の建てかけのビル
反射するガラスで壁を敷きつめられたビル
これから何十年そこに立ち続けるのか
これから死んでゆくだろう 僕に優しい人らがあのビルだったらいい
あたらしい人が生まれて
生活してゆ
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