弟の机/ぽえむ君
 
いつのまにか
ぼくのゲームソフトが無くなっていた
さては弟の仕業だ
だからぼくは
あいつの部屋に入っていった

やはり机の上においてある
弟は今は友だちと外で遊びに行っている
小さい自転車でどこか乗り回しているのだろう
友だちが誘いに来て
きっと返すのを忘れたに違いない
まったくだらしのない奴だ

ゲームがあればそれでいい
手に取り自分の部屋に戻ろうとしたが
考えてみれば
ぼくは弟の机に座ったことがない
あいつはぼくの机をやたらと使いたがるのに

仕返ししてやろう
座ってみたけれど
やはりぼくには小さくて
落ち着かない

窮屈な椅子に座って
ふと思う

ぼくにだって
この大きさがぴったりだったこともあった
机が小さいんじゃないんだ
ぼくが大きくなったからだ

棚においてある
ぼくが使っているのと同じ大きさの教科書が
どこか小さく感じた
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