あと四年若かったら・・・/白雨
 
 あと四年若かったら、
 僕は碇になって、港に沈んでいるだろう。
 船をしっかり支えながら
 壮大な出航式を待っただろう。
  それはおだやかな海を渡って、
 詩人という島まで、のんびり旅を始めただろう、
 ・・・見送りの、華やかな歌声にかこまれて。
 
 出帆は、夜の首飾りのよう・・・・・・
  
 でも僕は時を失した。  
 船は港で沈没した
 
 ・・・僕は行く末のない錆びた錨になって、
 海底の底、碧い真珠のある憂鬱の地帯へ
  力なく、しずかに彷徨いゆく
 
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