花の枝  岬/杉菜 晃
 
 花の枝


夕景の中
もの思ひに沈んで
俯き歩いて来ると

花の枝が
通せん坊した

朝出掛けるときは
なかつた

―花の枝―

それが夕方
出現してゐる

天使の腕?





 岬


奇岩の鮫の牙が
見るからに鋭いので
恐れをなした波が
慌てて退いていく

次も
また次の波も
退いていく

たまに大きくぶつかつて
哀れ 気泡と化してゐる




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