花の枝 岬/
杉菜 晃
花の枝
夕景の中
もの思ひに沈んで
俯き歩いて来ると
花の枝が
通せん坊した
朝出掛けるときは
なかつた
―花の枝―
それが夕方
出現してゐる
天使の腕?
岬
奇岩の鮫の牙が
見るからに鋭いので
恐れをなした波が
慌てて退いていく
次も
また次の波も
退いていく
たまに大きくぶつかつて
哀れ 気泡と化してゐる
戻る
編
削
Point
(6)