温/桐野晴
 
望んでしまったから いつもより少し重くて
見えてしまったから 何も考えられなくて

知らなければよかったこと
今更すべて遅いと
何を言っても仕方がないから
考えるのを止めてしまった

想いなんて泡のようで
儚いほどに
甘い


気づいてしまったから 永遠にとめられなくて
覚えてしまったから もうずっと忘れられない

貴方のぬくもり探して
夢と現実のはざま
ゆらゆらと気づかないフリをして
現実を見るのが怖かった

あたたかさが心地よくて
いつまでも
感じたい


いつか
手に入るだろうか
完全な形でなくていい

願う
貴方のぬくもりを

ただ
ただ
それだけでいいから
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